入居時期について
【年間の需給バランスを知っておく】
賃貸物件の需給バランスは1年のうちで大きく変動します。
3月がピークになることはよく知られています。
以下では年間を通じた需給バランスの概要をまとめてみましょう。
1月はまだ需要が少ない時期ですが、4月からの入学や就職に向けて、
物件探しを始める人もいます。
2月からは物件の内覧なども頻繁に入るようになります。
早い人では賃貸借契約を締結し始める時期でもあります。
そして、3月は需要のピークとなり、不動産会社の繁忙期にあたります。
賃料相場や引越し費用も強気の設定になる時期です。
ただし、3月後半になると、空室リスクを避けたい物件オーナーは
値下げを始めることもあります。
4月、5月には動きが落ち着き、夏季は一般的に最も需要が少なくなると言われます。
一方、もう一つのピークは9月と言われます。
これは10月から会計年度の下期に入ることで社会での人の動きが増えるためです。
10月~12月は春の繁忙期に向けて、物件を仕入れる会社や準備をする不動産オーナーが多く、徐々に物件数が増えていく時期といえます。
【賃料や募集方法にも影響】
上記のような需給バランスを考えると、入居者の需要が増える3月と9月に
入居者を確保できるようプランを立てることが大切です。
具体的には、高めの賃料設定でも入居者を獲得できるよう物件を準備しておき、
2月、8月には内覧に対応できるようにしておくことが求められます。
投資用物件の取得やリフォーム工事などのプランもこれに合わせるのが理想ですが、
多くの会社が同じようなスケジュールで動くため、完工時期が重なったり、
職人が不足したりすることもあります。
そのような影響も考慮に入れて、余裕を持たせたプランを立てたいところです。
一方で、最近は大学の入学試験制度が多様化しており、年が明ける前に入学が確定する場合も増えています。その分需要の波も一部前倒しになっているという見方があることも知っておきましょう。